カアリイ / 野本かりあ
カアリイ / 野本かりあ

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商品番号:RMCA-1014
全17曲
64Pハードカヴァー写真集つき
¥3,800(tax in)

このアルバムを聴いて、あなたも思い浮かべるかもしれない。
あなたの人生に、たった一晩だけあらわれて、
幸運にも寝てくれた美しい女の子のことを。

   カアリイは本当に存在するのだろうか?
   時は1960年代に遡り―。
   そして、2004年にあらわれた、若く美しい、カアリイという名の女の子は―。
   俳優・石坂浩二と女優・池田昌子のナレイションが紡ぐ
   ファンタスティックな物語。



2004年夏、レディメイドが贈るニューアルバムは、
全17トラック収録CDとハードカヴァー64ページ豪華仕様の写真集からなる
一大コンセプトアルバム。

伝説の美少女「カアリイ」を演じるのはモデル出身の野本かりあ。
ナレイションを担当するのは、
元祖ヨコワケハンサム、俳優・石坂浩二と
オードリィ・ヘプバーンの吹き替え、『銀河鉄道999』メーテル、『エースをねらえ!』お蝶夫人役で有名な声優・池田昌子。
写真集スタッフには、カリスマ・メイクアップアーティスト・TAKAKO、
ファッション・フォトグラファーの大御所・鶴田直樹、
アートディレクション小西康陽という最高・最強・豪華な布陣。
レディメイド・インターナショナル渾身の一作。

01.アリア、あるいは修道女かりあ
02.一週間
03.バレエ
04.カアリイⅠ
05.舌出し天使
06.ロック・ステディ
07.カアリイⅡ
08.自由通りの午後
09.カアリイⅢ
10.私の黒い小猫は悪戯だけど秘密は守る。
11.アデューは悲しい言葉
12.カアリイⅣ
13.アムステルダム
14.ナポレオン・ボナパルト
15.昨日のつづき
16.真夜中のアリア
17.私が死んでも

       
   


 




「野本かリあ/カアリイ」をここにお届けします。
曲目解説なんて、何を書いたらいいのやら。
なるべく短くシンプルに書きたいけど、出来るかどうか。
とにかくこれはぼくがいちばん作りたかったレコード。
ファッション・モデルの若くてカワイイ女の子が、スウィートな曲だけを歌っているレコード。
スウィートな曲ばかりだけど、ビートが効いていてグルーヴィーなレコード。
この世の中のどこかにいそうな、でも絶対にいないような、そんな素敵な女の子を追いかけたドキュメンタリイのような、偽のドキュメンタリイのような、つまりファンタジーのような、映画のようなレコード。
カポーティと寺山修司とベルトラン・ブリエが5ページずつ脚本を交代で書いた映画のようなレコード。
美しくて、けれども美しさに無頓着で、誰とでも簡単に寝ちゃうような、でもきみが手に入れることなんて絶対に出来ない、そんな女の子のレコード。
1960年代のような、昭和40年代のような、現代のような、昨日のことのような、まだ見ぬ時代のような、そんな時代考証の曖昧なレコード。
途方もなく時間とお金をかけた、でもちょっとした音楽付きのコントのようなレコード。
聴き終わってまるで何も残らない、でも少しセンチメンタルな気分が残るレコード。
これはつまり、ぼくがいちばん作りたかった、いちばん聴きたかったレコード。
ピチカート・ファイヴの頃に、いつもこんなレコードを作りたい、と漠然と考えていたにもかかわらずいつも雲を掴むように、手の中から逃げてしまう、そんなある詩的なイメージを持ったレコード。
カアリイ、というキャラクターを発見して、ようやく作り上げることが出来たレコード。
ウイスパー・ヴォイスなんかじゃない、フランス・ギャルのようにワイルドで、そして決定的にスウィートな声の女性歌手。ぼくは25年も待っていた。
大きく出るのなら、「ガーリィなサージェント・ペパーズ」とでもいうべきトータル・アルバム、またはコンセプト・アルバム。「メロディ・ネルソンのグルーヴィー・ヴァージョン」でもいい。そういうレコード。
安井かずみ「ZUZU」がもっと音楽的だったら、伊東きよ子「23時の女」がもっとグルーヴィーだったら、カルメン・マキ「アダムとイヴ」がもっとポップだったら、というようなレコード。
いつかぼくが死んだら、どうせ代表作は「慎吾ママのおはロック」など、なんて言われるのだろうけど、ファンの人や、ぼくの親しい友人たちだけには、この「カアリイ」というアルバムを最初に想い出してもらいたい、そんなレコード。
では曲目解説です。

1.アリア、あるいは修道女かりあ
 真夏の太陽を仰角で捉えた、フィルムが焼き切れてしまう寸前の、真っ白なショットからカメラはゆっくりと青空へ、水平線へ、海へ、港の小高い丘へとパンする。カアリイが立っている。つまりアルバムの思わせぶりなイントロってことです。

2.一週間
 このララララララ、というメロディをライトモティーフにして、それをいくつか変奏しよう、と考えていたのに、このピアノとダブル・ベースを使った編曲を聴いた途端、あの誰もが知っているロシア民謡の歌詞が降りてきた。ぼくがソングライティングに魔法を感じる瞬間。

<石坂浩二さんについて>
 誰もが知っているお茶の間の人気者、石坂浩二さんですが、ぼくにとってはスターを超えた永遠のアイドル。「ウルトラマン」の声であり、市川崑映画の顔でもある。だけどぼくにとっては永遠に「痛快!まるかじり」の人だし「平四郎危機一髪」のスター。そう言ったらCKB横山剣さんだけはワカってくれました。カアリイがポリー・マグーなら、石坂さんは永遠の王子様。すべてテイク・ワンOKでした。

3.バレエ
 つまりタイトル・ロール。つまりミシェル・コロムビエMichel Colombierに捧ぐオマージュ。

4.カアリイⅠ
サントラは大好きだけど、まだ観たことがない、そんな映画『Smashing Time』のイメージ。ところで池田昌子さんは、皆さんにとってはメーテルやお蝶夫人かも知れませんが、オレにとっては「オードリィ・ヘプバーン」そのもの、つまりぼくがピチカートを始めたときから追いかけていたイメージは、なーんだこの声だったんだ、と去年ようやく気づいたわけで。

5.舌出し天使
 立木義浩の写真集の中でこの「舌出し天使」というタイトルを見たとき、あ、コレで一曲書ける、と思った。いちばん最後に書いた、いちばんスウィートな曲。

6.ロック・ステディ
 ぼくがクラブでプレイするために作った曲。オレのイチ押し。シングル切るなら、ヴィデオ作るならコレ、と思っていたけど、「アデュー」に押し切られました。オルガンバーでかけたら、須永辰緒さんに「ピチカートっぽいっスね」と言われたけど、つまりこういうのがオレの王道の音なんだよ。オレがピチカートなんだよ。オレは一生「Tighten Up」から離れられないんだ。死ぬほど好きな曲。いつかアナログ切る予定。(予告)

7.カアリイⅡ
 2つの異なるBPMの楽曲をスムースに繋ぐための短い曲。
池田さんと石坂さんのナレーションはまったく別な時に録音された。

8.自由通りの午後
 アイ・ジョージが1971年に発表した小ヒット曲。作詞は松山猛氏、作曲はその後S-KENとして知られる田中唯士氏。今年の1月、京都の「ミツバ」というレコードショップでこの曲に出会ったときも、これは野本かりあのアルバムに入れるための曲だ、とすぐに判った。これもクラブでプレイするためのグルーヴィーな一曲。ぜひオリジナルも聴いてみてほしい。いつか野本さんとはこうしたいわゆる「和モノ」で一枚作るつもり。誰もかなわないようなスゴイの作るぜ。といまはそんな極度の躁状態になっています。

9.カアリイⅢ
 こういうセリフ入りのジングルで一枚アルバムを作ってみたい。誰もかなわないようなスゴいのを…。これもまた「ティファニーで朝食を」のイメージ。映画版のほうです。

10.私の黒い小猫は悪戯だけど秘密は守る。
 あいさとう氏は本当に素晴らしい曲を書く、いまの日本でも有数のソングライターだ。とくに詞が素晴らしい。これはヘア昨年のアルバム「ローマをみてから、死ね」で発表された曲をぼくがリミックスしたもの。

11.アデューは悲しい言葉
 この曲が出来てしまったせいで、レコーディングのハードルは急に高く上がった。本当にキャッチーなシングル。よく他人から詞がいいと言われるけど、それは自分ではよく判らない。「マリア」ではなくストレートに「かりあ」と歌ったらどうだったんだろう、と、いまでも考え込む。それでもこれはやっぱりガールポップスの最高峰、だと思う。

12.カアリイⅣ
 黒いウサギ、というのは野本かりあが実際に同棲している動物。名前はプリンというのだそうだ。

13.アムステルダム
 この曲は2年前に詞も曲もほとんど出来ていた。でもこの仕上がりはイメージしていたのとずいぶん違う。すこしポップすぎる。だけど好きな曲。

14.ナポレオン・ボナパルト
 これも『ミニスカートにブーツの女の子』に似合うグルーヴィーな曲をイメージして作ったのに、ちょっと違う感じになってしまった。でも大好きな曲で、スムースエースに書いた「これから逢いに行くよ。」はこの曲をアレンジした直後に書いた。タイトルにも詞にも意味はまったく無い。

15.昨日のつづき
 たくさん曲を書き出すと、まるでひと筆書きのように出来てしまうときがあるけれども、これはそんな一曲。あいさとう氏の『哀しいTighten Up』とでもいうようなリズムギターが最高。どうしてこんなに哀しい曲ばかりなのだろう。

16.真夜中のアリア
 これも一昨年の秋には出来ていた曲。出来てしまったとき、野本かリあに歌ってもらうのがいいか、夏木マリに歌ってもらうべきか、少しの間考えていたのを想い出す。元ゴールデンハーフのメンバー、高村ルナが日活ロマンポルノに出た最初の作品「修道女ルナの日記」はぼくがどうしようもなく愛している映画だが、ラストに港から船が出るシーンで、彼女の歌う甘いテーマソングが流れる。ただし映画は眩しい真昼の船出だった。高村ルナさん追悼の一曲。映画の中の彼女は永遠に若く美しい。

17.私が死んでも
 去年の秋、寺山修司がいきなり降りてきて、野本かリあのために「私が死んでも」という歌を書け、という。カルメン・マキの「私が死んでも」をあわてて聴き直したけれども、寺山の言った言葉は本当で、野本かりあのためには自分で書かなくてはならない。ピアノの前で作りはじめると、すぐに出来上がった。カアリイの歌が最高で、スタジオでプレイバックする度に、何度も泣いてしまった。

長い長いセルフ・ライナーノーツ、という芸風は菊地成孔さんに譲ったつもりでいましたが、結局長くなってしまった。
ジャケット、と呼んでしまっていいのかどうかもわからないぐらいスゴい写真集まで作ってしまって、もう思い残すことは何もない。いまは最大瞬間風速で、サム・ハスキンス「COWBOY KATE」よりも「FIVE GIRLS」よりも、立木義浩「イヴたち」「GIRL」よりも、鰐淵晴子「イッピー・ガール・イッピー」よりも、杉本エマ-大倉舜二「EMMA」よりも好きな写真集だったりする。常盤響くんには敵わないけどさ。カアリイはなんだか最高だ。
窪塚洋介はなぜ窓から飛び降りたのか。バカだからだ。オレはどうしてこんなレコードを作ったのか。答えは同じ、バカだからだ。
よくぼくに近づいてきては「ソロはいつ作るんですか?」と訊く人がいるけど、ぼくがいちばん作りたかったレコードはつまりこの「カアリイ」だ。醜い中年男のソロアルバムなんて誰が作る?そんなもの誰が聴く?
というわけでもう思い残すことは何もない。さよならカアリイ。また逢う日まで。次のアルバムを作るときは、ゲストに柳沢慎吾さんをお呼びしたいな、と。さて、明日から夏木マリさんのアルバムのことを考えます。
小西康陽
(プレスリリースより)



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